ギャン先生の格言、「価値のある28のルール」を検証
「ギャンの価値のある28のルール」はW.D.GANN(1878-1955)という偉大な投資家、私はギャン先生と呼んでいる、が我々のために残してくれた「売買で気を付けるべきマイルール」を28個記したもの。
とは言え、昔の話なので現代版の簡単な翻訳と通訳をする必要があります。
当時ギャン先生が書いた内容は、それほど難しい話ではないのですが、3セントや60ポイントなど具体的な数値も入っています。
そのまま受け取るのではなく、自分なりの解釈をしましょう。
このページでは幾つのルールを取り上げて、現代に通用する考え方に置き換えてご説明します。
現在の相場とチャートに照らし合わせたらどの部分は使えて、どういう意味になるか?一緒に考えて行きましょう!
ギャンの価値のある28のルールから幾つかご紹介します!
例えば1つ目(28のルールの最初)。
資金を10等分し、1回の取引に資金の10分の1以上のリスクを決して取らない。
これはつまり、総資金の10%までのリスクに抑えてくれ、という事。10個の口座に分けるわけではないですよ。
資金を10分の1ずつに分けて入金するのはありです。または、総リスクを10%以下にしましょう。
リスクを取り過ぎるトレーダーは大体、最後は資金を失って終わりです。最初にこの資金管理のルールを記してあるところあたりが優しいですよね。
ギャンの28のルールの内、多くが「資金を無くさないために重要な戒めやコツ」を書いたものです。役に立ちますよ。
次は3つ目のルール。
過剰な売買は決してしない。これをする事は資金管理の原則に反する事になる。
このルールは、重複してもう一度出て来るくらい重要なルールです。
2銭のスプレッドも100回積み重なれば2円分の利益を取り逃した事になります。無駄な売買は行わず、1・2回でバシッとエントリーを決めましょう。
ピラミッディングのタイミングに注意する。(ギャンの28のルール20個目)
商品が非常に活発になり、抵抗線を抜けるのを待ってから買い増しし、
支持水準を割れるまで待ってから売り増しする。
こう書いてありました。買い増しの話です。
ピラミッディングというのは、次のようなものです。
ピラミッディングの考え方
- 抵抗線を抜けるのを待って買ったら、また次の抵抗線を抜けるのを待ってから買う。
- どんどん枚数を減らして行き、最後は安値割れにストップロスを置く。
- 下落しても利益で終わるようにしておく。
※「トレイリングストップで自動的に損切りを移動させる」方法もあります。
しかし、相場の理屈に合うのは安値下の損切り位置です。
ピラミッドみたいに、上の方が小さくなっているというイメージですね!
多少怖かったとしても、安値圏で大きな枚数を買い、後から追加で小さく積み重ねる!
建玉のバランスとしてはこの方が良いものになります。
安いというだけでは買うな(ギャンの28のルール19個目)
ただし、ギャン先生いわく『安いというだけでは買うな』との事ですので、何らかの支えになるラインを知っておく必要があります。
なぜそこから跳ねるのか?を知らなければ、安値圏では買えません。
通常、安いと思ったらさらに安くなるのが相場だからです。高値だから売ろうと思えばさらに高くなります。
ナンピンはするな(ギャンの28のルールの13)
また、『ナンピンはするな』とも書いてありました。
安値だから買う、さらに底値を割れても買う…という売買を繰り返していると、
最終的には追証(おいしょう)になり、必要証拠金を飛ばして強制ロスカットにもなり兼ねません。
安値圏で買う時は、常に「反発するラインと安値切り上げ」を確認してから買い、ストップロスは必ず置きましょう。
ギャンの考え方はこの3つ!
「ピラミッディングのために安値で大きな枚数を持ちたい!」とすれば、上昇が本格的になる前に買いを仕込む事になります。
しかし、この安値圏での買いには十分に注意を払う必要がありますね。
なぜなら、
ギャンの価値のある28のルールには共通する考え方があります。(ギャン先生の考え方とも言えます!)
それは次の3つ。
- 伸びている時に枚数を増やし、逆方向へ進む時には枚数を減らす
- 天底は分からない
- 何回も売買をしない
1はピラミッディング(ピラミッティングではなく、ディングです。ピラミッドだから)やナンピンについての言及から分かります。
3は28のルール中、2回も出てくる話ですので重要だとお考えなのでしょう。
ただ、私が一番特徴的だなと思うのは2つ目です。
ギャン先生の考え方の特徴は「天底は分からないもの」とした事にあります。
ギャンのツールで天底は分かりません(確かに)。
ギャンファン、ギャンボックス、ギャンスクエア、ギャンリトレースメントにも共通する話です。
これらのギャンのツールは「押し目買い」「ラインブレイクでの買い」ばかりに適した仕様になっている!
この事からも、彼の考え方は明らかです。
- 天底を読むのではなく、ギリギリ安値圏で切り上げたら買う。
- この時、値位置とファンでの支えを伴っている必要がある。
このようにお考え下さい。
ギャンの28のルールは「ギャン理論」とも言われますが、彼の本当の凄さはツールにあります。
『安値圏ギリギリで買いたい、高値圏で売りたい!』
このような方は是非、ギャンのツールの使い方を学びましょう。
ギャン先生の考え方を実現するために必要だからこそ、これらのツールがあります。
※28のルールのような「戒め」「マイルール、自分ルール」も、結局は売買手法ありきですから。
ギャンリトレースメントとギャンファンを使ったトレード手法
ギャンスクエアとギャンファンの違いについて
ギャン先生推奨の買い増しタイミングはこれ!
この図のように、高値越えで買い増しするのが一番簡単です。
安値圏で買ったら、次は高値越えをして安定してから買い増しをすると、するっと伸びてマイナスの期間を減らす事が出来ます。
伸びている時に買う。押し目は支えのあるラインを必ず頼りにする。それがギャン先生の教えです。
この最後のチャートをオリジナルのギャンファンの引き方※で引くと、さらに良く分かります。
ギャンファンの1*1(ワンバイワン)で跳ねており、その後もギャンファンが押し目になっています。
このラインが見えていれば、買い増しも簡単ですね!
※ギャンファンについて詳しくは第6話「 ギャンスクエア・ギャンファン・ギャンリトレースメント【まとめ】」をご覧下さい。
以上、28のルールを現代版に通訳した解説でした。
新動画「ギャンの28のルール検証」
まだ3つ4つしかご説明していません。詳しくは
今回作成した動画「ギャンの28のルール検証」(41分)をご覧下さい。
ギャン先生の格言で資金管理とマインドセットを補って、今回の動画シリーズやコラムは締めとさせて頂きます。
ギャン大事典の特典動画としても、動画の一部と第6話に書いたギャンスクエアについての解説の一部を載せておきました。
この動画が追加されているのは次の3つです。※2は一部です
ギャンファン・ギャンリトレースメントなどの教材
- 一番詳しい教材「勝ち方実戦編フリーパスプラン」
- 「ギャン大事典」
- 新セット「FIBO&GANNライントレードマニュアル」
ギャントレードのまとめはこれで終わり!
新動画シリーズ「fibonacci tradingまとめ」「gann tradingまとめ」登場を記念して、無料で各ツールの使い方の簡単な解説を行ってきました。
お役に立てたのであれば嬉しく思います。
今回の「ギャンの価値のある28のルール」は考え方についての話でしたが、
フィボナッチとギャンの各ツールの使い方も簡単にご説明しておきました。
それぞれのページでご覧下さい。
フィボナッチとギャンのトレードまとめへフィボナッチトレードとギャントレードのまとめ【新動画】【おまけ】自分のルールについて考えてみよう!
ギャンの28のルールをご紹介して来ました。しかし、これは「ギャン先生がそう言っているよ」と言うだけのものです。
必ずしも自分のルールにする必要はありません。
誰に何を言われようとも、自分のトレードは自分で組み立てて、自分で責任と考えを持ち、自分のルールに沿って行うもの。
『誰かに言われたから・・・』と自分の考えを変えるのであれば、そもそもあなたがトレードをする必要はないです。そんなあやふやな考えでは勝てませんので、今すぐにでもやめた方が良いですね。
※言い方はきついですが、自分なりのスタイルと考え方を確立する必要があるのです。
そして、「自分のトレードルールがない」という場合にもトレードはしない方が良いです。
なぜなら、ルール通りに売買するのがトレードであって、毎回違う方法であっちこっちやっている売買はただのギャンブルトレードだからです。
まずはトレード手法を何か一つだけ身に付けて、自分だけのトレードルール作りから始めましょう!
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