エリオット波動とリトレースメントの嘘。

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エリオット波動原理とフィボナッチ リトレースメントの関連について解説します。

残念ながら書籍などで語られているフィボナッチの使い方は実際の値動きと合わないものが多いです。そのため、本当に覚えておくべきフィボナッチの使用方法についてまとめたいと思います。

※スリースタータードットジェーピーでは、フィボナッチとギャンを専門として十数年研究してきました。

前回の「エリオット波動原理とエクスパンション」の復習を兼ねて、まずはこちらのチャートをご覧下さい。

NOBU OHNO (3STARTERJP)さんによるelliot-round3

エリオット波動原理とリトレースメント(2波の買い場について)

エリオット波動原理とリトレースメンメント
ROUND3スタート!

フィボナッチ リトレースメントとエリオット波動を合わせたら、何らかの方法で「2波の安値」「3波の高値」「4波の安値」「5波の天井」「a波の安値」「b波の高値」「c波の安値」などが分かるのでしょうか?

今回もイメージ図と実際のチャートで学習してみましょう!

エリオット波動の2波とリトレースメントの関係は本当に正しい?

2波は1波に対して0.618戻るのか?

実際の相場で多いのは、その前に小さな値動きで「0.236~0.382の間=7割戻し」をする事です。

その後大きく伸びてから、38.2%戻った値位置への押し目を付けます(3割戻し)。そして、それが2波となります。

これが分かっていないと、買い逃すでしょう。

1波が急騰で急激な戻しがあった時とベーシング(安値圏での持ち合い期間)においては、2波で61.8%以上戻しますが、通常よくある、勢いが出る絶好の買い場は3割戻しです。

「0.618戻る」はそもそも間違い

また、「61.8%戻ると捉える」のは多少問題があります。

なぜなら、7割戻しは61.8% ”以上” 戻すという意味。つまり、天井を1とすると「0.236~0.382の間」に入る事を意味しているからです。

フィボナッチリトレースメントではゾーンで捉える癖を付けましょう。割れてはいけないラインが0.236。0.382は跳ねても良いし、割れても問題ないラインです。

具体例;エリオット波動2波でのリトレースメントの買い場

実際の買い場としてはこうです。

底値を0、1波の高値を1とするのであれば、
23.6%を絶好の買い場として38.2%までの間に買うべき。損切りは底値の下です。

ただしこれは2波というより、一つ小さな時間軸で起こるべき値動きです。

2波での買い方例1

エリオット波動 2波の買い場の間違い
エリオット波動 2波の買い場の間違い 拡大図
青色の方が1波です。ユーロ円の2012年日足

2波で61.8%戻すのを待つと、大抵の場合戻って来ません。単に買い逃すでしょう。

天底では「1回でも7割戻しすれば、その後は3割でも5割でも押し目はOK」というのが本当のルールです。

つまり、2回目(この場合、2波)は3割でも5割でも7割でも問題無いのです。

この前の高値を切り上げたような2波のタイミングで61.8%戻すのを待つと、確率が3分の1となり、買い逃す確率が3分の2となります。

こんなやり方をしていたら、いつまで経っても天底では買えません。

2波での買い方例2

ユーロ円2016年 4時間足
ユーロ円2016年 4時間足

0.382(61.8%戻し)で買うのではなく、0.236-0.382のゾーンで買うのです。

ユーロ円 2016年週足とエリオット2波
ユーロ円 2016年週足 上のチャートと同じタイミング

何度も7割戻し(0.236~0.382)まで戻る相場というのは、持ち合いです。これは「ベーシング(basing,土台作り)」と言う安値圏での持ち合い。

本当の絶好の買い場で、買いやすい値位置に来るのは時間軸での大抵1回だけ。次のように。

2波での買い方例3

ポンドドル
ポンドドル2016年 日足

これを2波だとは思わないでしょう?

2波は次の38.2%戻し(つまり3割戻し)。

また、最初の押し目は0.382のラインから2メモリくらい割れてますよ(笑)。けれども終値は0.236へ残している。

つまり、0.236の下のラインを知っているトレーダー、0.236が強いという事を知っているトレーダー、0.382で買えば良いと思っているトレーダー。後に行くほど知識不足で、買値が不利になります。損切り幅も大きくなり、タイミングも間違えます。

2波のまとめ

説明してきたように、2波が1波に対して0.618というのは違うでしょう。というよりも、そう思っていたら買い逃します。

だから次のように覚えておいて下さい。

小さな時間軸レベルで1回7割戻しをする。以降は、3割でも5割でも7割でも押し目は構わない。そしてそれが2波となる。

4波は3波に対して0.382、は本当?

エリオット波動原理とリトレースメンメント1

最初の画像に、「4波は3波に対して38.2%戻る」というイメージがありました。38.2%戻ると、0.618という値位置になります。ここで跳ねて5波が始まるというわけですね。

エリオット波動の本を読んでみたのですが、その中のフィボナッチ リトレースメントは実際の相場と合わないものがほとんどでした。

「4波は3波に対して38.2%戻る」のでしょうか?

ポンドドル日足と4波
ポンドドル日足(先ほどと同じ) エリオット波動4波 クリックで拡大

4波は0.5(50%)まで戻していますので、38.2%戻る(1-0.382=0.618で跳ねる)と思っていれば、その後2週間も下落し、損をしてしまうでしょう。これは日足ですから。

4波が0.618を割れるケースはかなり多いです。

『よ~し!4波だから0.618で買うぞ!』というのはやめて下さい。

次のように勝率を上げましょう!

エリオット波動4波で買う方法

4波の買い方
エリオット波動4波の買い方

せっかくエリオット波動原理を使うなら、「4波が1波の値段帯へ割り込まない」というルールを使って、出来る限り近づくのを待ってみましょう。損切りを小さく出来ます。

また、フィボナッチ エクスパンションを使った方が4波は取れます。

エクスパンションの0.618か1に押し目を付けた時に買うと押し目買いが成功しやすいですよ。

これが4波での買い方です。今の流行りというか(笑)、よくある買い場です。

リトレースメントの0.618(38.2%戻し)で買うのではありません。

もちろんそういう時もあるでしょうが(そりゃ浅い買い場もある)、単純にそれだけの理由では勝率が低いです。

その他の、エリオットが考えるリトレースメント

エリオット波動原理とリトレースメンメント2
他にも幾つか紹介します
エリオット波動原理とリトレースメンメント3
それっぽいが・・

唯一、そうなる可能性があったりなかったりするのが図最後の「c波が0.618か0.382」という考え方です。これは当たり前なので(笑)意味がないでしょう。真ん中まで戻れば0.5ですし。あくまでも目安にしかなりません。

1波からc波まで終わって、どのくらい戻すか?

ケースバイケースですね。計量化出来るものではありません。

そして、エリオット関連本にあった、それ以外のややこしいリトレースメントの目安はほとんど機能していませんでした。

エリオット波動原理を研究されている方は、あくまでもエリオット波動原理の専門家であり、フィボナッチの専門家ではありません。

テニスプレーヤーがバスケットボールについて語っているのと変わらず、見当違いです。

「5波が延長した時は3波までの長さの1.618になる。」なども、まるで再現性がありません。

次のものだけを覚えておいて下さい。

※もちろん、2波と4波の買い方も覚えておいて下さいね。

まとめ!エリオット波動原理とフィボナッチ。リトレースメント・チャネル・エクスパンションで再現性のあるもの

エリオット波動原理で使えるのはこれだけ

前回の話(エクスパンションとエリオット波動原理)で書いた理屈です。これは再現性があります。

つまり、エクスパンションとの相性は抜群です!

これだけを覚えればOK。

3波はエクスパンションの1以上、1.618までを目安に。

例えば、3波が1だったなら次の5波は1.618などが意識されがち。3波が1.618なら5波は2.618が利食いターゲットになります。

今回書いたエリオット波動原理2波での買い方(リトレースメント)とエクスパンションの利食いポイントを合わせれば、それなりに優秀なトレードが可能です。

本当のリトレースメントの使い方

エリオット波動原理の5波はフィボナッチ リトレースメントで分かります。

この方法が一番汎用性があり、再現性がある。そして上昇5波であろうと下落3波であろうと、どの市場でも構わず使えるので本当はお勧めです。

もちろん、私の本以外には書いてないでしょう。

これがリトレースメントで5波の天井まで買う方法で、さらにa~c波も狙える方法です。(無料では教えられませんがマジです)

値動きのルール2はこちら

もう一つの使える方法 チャネル

エリオット波動原理とフィボナッチチャネル図解2
4波を見付ける
エリオット波動原理とフィボナッチチャネル図解1
5波を見付ける

前回記事では次のように、チャネルを引いて4波や5波を見付けるという話を書きました。ただ、これは大抵の場合、届かなかったり、通り過ぎたりしてほとんど役には立たないのですよ(笑)。

特に、4波を見付ける話はほぼ嘘です。エリオット波動原理の本に書いてあった内容ですが、検証した結果、まるで現実的ではありませんでした。

チャネルを割れたら売る

エリオット波動原理で使えるのはこれだけ2
チャネルを割れたら売る

5波の目処とする+a波となる時のタイミングを取るために使う方法がオススメです。4波の方はあまり再現性がありません。

エリオット波動2波と4波の安値、3波の高値を結んでチャネルを引きます。

場合によってはチャネルの中ではなく、すでに割れた状態で伸びて行くでしょう。

そんな時はチャネル下辺に接触した時がポイントになります。

ナスダック100 週足

チャネル内を移動していたら、割れた時に下落を疑います。

もちろん、利食い目標値と合わせて考えましょう。

それではまた。

以上が、フィボナッチ リトレースメントとエリオット波動の組み合わせ方の中で実際に使えるものでした。ご自身で検証した上でご利用下さい。

エクスパンションの方がエリオットとは合います。リトレースメントを使うなら、今回の注意点を意識してみて下さい。

エリオット波動とエクスパンションとの組み合わせについては、前回記事をご覧下さい。

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